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俺の後輩がこんなに可愛いわけがない 俺の後輩がこんなに可愛いわけがない 番外編:黒猫の腕時計
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http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1299681223/216-219 最初に好きになったのは、声。 それから大きな掌と、どこか含羞のある笑顔。 気付いたら視線が引き寄せられていた。 私の…友達の、お兄さん。 真っ直ぐな目で私を見てくれるひと。 私のためにどれだけ必死になってくれたか。 私のことを心底思いやってくれているか。 それを知ったとき、それを実感したとき、私の心の奥底に、不思議な火が灯った。 その火はあの人の顔を見るたびに熱くなり、あの人の声を聴くたびに大きくなった。 その火は炎となり、私の胸の底に疼きを産む。 ただの肉体に過ぎないと思っていたこの身体が、熱く火照ってしまう。 この薄汚れた現世の、仮初めの肉体があの人を見るたびに脈動する。 心臓が尋常じゃないくらいに胸の中で踊ってしまう。 うまく呼吸ができない。 あの人の匂いを嗅ぐだけで。 あの人の近くに居るだけで。 私のこの現世(うつしよ)の身体は熱く滾ってしまう。 夜、布団の中で目を閉じると浮かんでくるのはあの人の顔。 朝目が覚めて、最初に聴きたくなるのはあの人の声。 それだけで。 それだけで、この仮初の肉体は熱く甘く蕩けていってしまいそうになる。 それが恋だと認識したのは、しばらく後のこと。 そう。恋。 小説の中では何度も読んだことのある、感情。 それは虚構の中のできごと。そう思っていた。 創作のなかでは書いた事はあるが、私の上には訪れないと思っていた生の感情。 そう考えていたその感情を私は生まれて初めて実感していた。 恋。 そう。恋。 ばら色の感情。 あの人のことを考えるだけで幸せになれる。 あの人の姿を見るだけで、心の底が浮き立つような感情に浸れる。 あの人がメールをくれるだけで、世界の色彩がうきうきと回りだす。 恋とはこんなに苦しいものだと、私は今生(こんじょう)で始めて知った。 あの人のことを思うだけで底知れぬ多幸感に浸れるということを。 あの人の声を思い出すだけで、胸の奥が切なく甘く疼くということを。 あの人の匂いを嗅ぐだけで、体の芯が熱く震えてしまうということを。 そう。恋。 ……でも。 でも。 それが実るはずがないということも、私は判っていた。 こんな肉体の私を、あの人は好いてはくれない。 薄すぎて女の子らしくない胸。 華奢すぎる肉体。 そんなものをあの人が好いてくれる筈が無い。 あの女、あの人の妹より格段に女の子らしくない身体。 沙織なんかとは比べることすら恥ずかしいくらい、小さな胸。低い背。 そんな冷徹な思考は私の胸の中心に鋼の冷たく暗い杭として打ち込まれる。 どんな滾りも、あの人が私の想いに答えてくれるはずがないという現実が打ちのめす。 あの人を想って、初めてしてしまった行為。 私の薄い胸の先端の突起を指でなぞる。 これはあの人の指。 そう思い込んで薄い胸に指を這わせる。 妹たちと並べた布団の中で。 妹たちが寝入った後で。 こっそりと、パジャマの中の下穿きの内に手を差し入れる。 同時にあの人の声を脳裏に思い浮かべる。 あの人の体温が私に伝わってくる。 あの人の声。あの人の匂い。あの人の優しさ。 妄想の中だけでも、それに耽溺することは無常の喜びだった。 ゆっくりと指を這わせる。 濡れたあそこに、かすかに指を触れさせて 枕カバーを噛み締め、声が漏れそうになるのを防ぐ。 絶頂が近くなるにつれて、涙が零れてしまう。 あの人は、別の人を好きになってしまう。 あの人は、私じゃない人を好きになる。 あの人の優しい視線は、私以外の誰かに注がれる。 あの人が微笑む相手は、私ではない他の誰か。 妄想の中でもいい。 そう思って私は息を殺しながら手指を動かし自涜に浸る。 そうでもしないと溢れてしまう。 そうでもしないと破裂してしまう。 あの人を思って。 あの人の声を思い浮かべて。 私は背徳の悦楽を極めていた。 重荷を心に抱いたまま、あの人からは離れられない。 妹の友達でもいい。 近くにいられるだけでいい。 そう思っていた。 この人の近くにいられるだけで幸せ。 それ以上は望むまい。 そう思っていたとき。 「黒猫。俺と、付き合ってくれ」 言葉が出てこない。 唇は動くけれど、言葉は空気の中に溶けていってしまう。 「俺の彼女になってくれ」 夢。 きっとコレは夢。 夢だから、この人は私の夢見ていた言葉を言ってくれている。 きっとそう。そうに違いない。 ――夢なら、覚めないで。 心の底からそう願った。 気がつくと、目の前はすべてが制服の胸だった。 温かい。 この人の胸は、まるでその人となりを現すみたいに暖かかった。 その腕に抱かれて、その胸に顔を埋めているだけで、足が地に着かないくらいの多幸感に洗われてしまう。 足の裏からゾクゾクするような喜びの感覚が沸きあがってきて、それが私の背筋を通って登ってくる。 そして脳天から爆ぜるように突き抜けていく。 いつの間にか、私はこの人の腕の中に包まれている。 頬を押し当てているのは、意外に筋肉質なこの人の胸板。 親友のお兄さんの、固くて熱い、大胸筋。 大きくて優しい掌が私の頭を撫でてくれている。 指が太くて、力強くて。でも、そっと触れてくれてるその優しさはまるで私の心に直接触れているみたいだった。 「な、なにを、いきなり、言っているのよ」 恥ずかしすぎてそんな言葉しか紡げない自分の舌を噛み切りたくなった。 「俺は黒猫のことが好きだ。黒猫のことが可愛くてたまんない。黒猫が大切で、大好きだ」 呼吸が止まった。 息ができない。 胸の奥が苦しい。 温かい波が胸の奥から湧き出てくる。 全身の骨の芯が甘くなって溶けてしまいそう。 この人の制服の背に掴まった掌さえ、力が抜けてしまう。 体重をこの人に預けながら、息のできない胸で必死に声を出す。 「…わ……わた…し…わたしも、よ」 必死に搾り出すようにそれだけを答えた。 そう口にした途端、私の足は重力を感じられなくなった。 宙に浮かんでいるかのような高揚感。 この人が私を思ってくれているという喜び。 私の好きだという気持ちをこの人に伝えられたという 熱い。熱い、灼熱が私の唇を覆っていた。 それがキスだと気付いたのは彼が私の頬に手を当てたときだった。 舌が蕩けてしまいそう。 唇から伝わってくる熱い感覚。 涙で溢れた瞼を開いた。 すると、その瞬間から世界が変わった。変わってしまった。 彩りという言葉の意味を知った。 世界が突如として色を持った。 私が今まで見ていた世界の色は色じゃなかった。 この人のことを好きになる前には考えられなかった。 私の腕を掴んでいる太くて、力強い掌。 それが私の手首を軽々と掴んで私の体を抱きしめている。 言葉なんかにはできない。 甘い甘い痺れがこの人に触れられた肌から伝わってくる。 私の骨の芯を甘くしていく。 グズグズに蕩かしていってしまう。
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229 :Monolith兵:2013/07/09(火) 14 17 28 ※この作品にはTS要素が含まれています。ご注意ください。 ネタSS[俺の妹が○○○なわけがない!] 外伝1 「あたしの願いが叶うわけが・・・」 あたしの名前は高坂桐乃。自分で言うのもなんだけど、容姿端麗、文武両道で読モをやっているというスーパー中学生だ。この前など、あたしが書いた本が出版されてアニメ化まで行った。その話はおいおいするとして、あたしだって生まれつき才能に恵まれていたわけじゃない。全て努力の賜物である。 そんなあたしには3コ年上の兄がいる。容姿は平凡だけど、学業は全国トップクラス、スポーツは水泳をしていて部活こそしていないけれど、市民大会で何度も優勝していたりする。小さい頃のあたしはそんな兄に憧れていて、追いつこうと必死に努力したのだ。 でも、いくら努力しても兄に追いつくことは難しかった。当時のあたしが小学生だったというのもあるけど、勉強を頑張っても学級単位、スポーツを頑張ってもせいぜい学校単位。全国レベルの兄に追いつくには中学以降にならなければならなかった。 そして中学生になって、これまでの努力が結んできた。勉強は学年1位で県5位まで上がった。スポーツも、陸上部に入って1年生ながら県の決勝まで行った。読者モデルにスカウトされ、モデルの仕事を始めたりもした。 でも、兄はそんなあたしを引き離すかのように次々と結果を出していた。あたしは県トップクラスだけど兄は全国トップクラス。スポーツは中学生ならトップクラスだけど、兄は中学生の頃には大人と混じっての大会で優勝したり、一時は国体強化選手にという話もあった。 そして、あたしはいつも兄と比較されて、一段下の扱いを受けることが多かった。両親は兄よりもあたしにかまってくれていたけど、学校の先生や近所の人は兄をよく褒めたけれど、あたしはそんな兄の前にかすんでしまったのだ。 あたしはそんな兄が誇らしく、それと同じくらい妬ましく悲しかった。いつか兄に置いて行かれるのではないか。あの兄がそんなことをするわけが無いと今なら思うけど、当時のあたしは兄に追いつこうと必死だった。 中学初の夏休みは部活にモデルの仕事にと忙しかった。兄も水泳大会や勉強と家にいる日はそう多くは無かった。あたしは部活に勉強にモデルにと頑張ったけど、無理がたたったのだろう、部活中に転んで軽い捻挫をしてしまった。暫く部活は休むことになり、モデルの仕事が無い日は暇になってしまった。兄はあたしの怪我を傷買ってくれ、色々と世話をしてくれたけど、あたしは努力をせずに暇をもてあます自分が嫌だった。 そんなある日、テレビでとある神社の特集をしていた。その神社でお願い事をして叶った事が沢山あるというのだ。昔の偉い軍人さんの生まれた神社で、その人は忙しい中少しでも空いた時間を使ってこつこつと勉強をして、日本を勝利に導く為の戦略を編み出したという。他にも漫画やアニメの業界では神様扱いで、政治家、軍人の間でも軍神として今でも尊敬を集めているという。あたしも社会科の教科書で、大宰相などといわれていると習った覚えがあった。 当時のあたしはかなり焦っていたのだろう。翌日東京へと行き、その神社へとお参りに行ったのだ。もちろんお願い事は決まっていた。 (兄に負けないくらいの立派な人になれますように。) (兄に追いつけますように。) その日の夕方、家に入る前に一番星を見つけたあたしは神社で願ったことを再び願った。これが全ての始まりだったのだろう。 翌朝、起きた時にはあたしは私になっていたのですよ、嶋田さん。 おわり 230 :Monolith兵:2013/07/09(火) 14 20 57 226-228 嬉しくて兄いちゃん頑張っちゃったよ。 今回のは色々と突っ込みどころの多い作品だと思いますが、頑張って脳内保管してください。 作中に出てきた神社はわかるよね?一番星はたいてい金星だということも解るよね?つまりはそういうことだよ。 教訓:お願い事をするときは、祭っている神様が本物かどうか確かめましょう。また、一番星の別称は覚えておこう。
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http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1281447547/204 喉渇いた いつものように部屋で過ごしていると、ポツリと話しかけられた。 「ねえ先輩、喉が渇いた」 「ん、そうか」 用意していたジュースは既に空になっている。そういや俺もけっこう喉渇いてんなぁ。 「ちょっと待ってろ。麦茶でも持ってきてやるよ」 「なに言ってんの、あなた。わざわざ取りに行かなくてもココにあるじゃん」 そう言うと俺の股間をもぞもぞと撫でつける。 「マ、マジで?」 「フフフ、いいからさっさと用意しなさいよね」 期待に鼻息荒く、ズボンとパンツをずりおろすと、横に寝転がっていたからだを俺の上へ乗せ、さっそくチ○ポをしゃぶり始めた。 「ん……ふぅ。チロ、ペロペロ。さっそくいやらしい液が出てきているわよ先輩」 「あ、ああ。おまえの舌って最高だからな。こうなるのは仕方ねえだろ」 「褒めてくれて嬉しいわ。それじゃあ、じゅる……じゅぷぷ、ぺろ。早く出してもらおうかしら」 「く……。してもらってばっかじゃ悪いし、俺もさっきから喉が渇いた。おまえのを飲ませてもらうぞ」 視界に入っているふとももを掴んで下半身を自分の前へと持ってくる。 スカートを捲りあげて、あらわになったパンツを掴むとそのままズリリと引き下ろした。 ウス桃色の秘所はすでにパクパクと俺とキスしたがっているように動いている。 「それじゃ、飲ませてもらうかな。じゅちゅるる、ちゅりゅ」 口を押し付けて、愛液を啜り飲む。 「んゃあん! んん、ちょっと先輩っ! もっと優しく扱いなさいよね。んむ、ちゅ、れろ……ちゅぱるる」 「うお! おまえだってすげぇいきおいで、うぐ。俺の舐めてるじゃん」 「あたしが飲みたいものがまだ出てこないんだもの、仕方無いでしょ。 ふもぉ、ちゅぶ、んん。ほら先輩? 早く出しなさい」 チ○ポを口内に入れ、激しく愛撫される。ガマンなど出来ず、すぐに俺の絶頂はおとずれた。 「うぐ……。出すぞ! ぐ、うおお!」 ぶりゅりゅりゅりゅ! 「んぶっ! うも、んんっ! ん……んっく、んく」 おいしそうに喉を鳴らして精液を胃まで運んでいってるようだ。 「んく……。はぁ~。おいしかったわ」 「ああ。それはなによりだ。ちゅぴ、れろ」 「ひゃん。もう、いやね。まだ足りないの先輩は」 「もうちょっと飲みてえかな」 「ふ~ん。だったらさ、他にこれ飲んで頂戴。ん、んん……」 ちょろ、ちょろろろろ。 俺の口内に今までの粘着質なものとは違う液体が入り込んできた。 「んぐ、ごくごく」 こいつめ、調子乗りやがって。それじゃあ俺もおかえしにち~とばかしお返ししてやるかな。 俺は物足りなさそうに舐めているこいつの頭を足で掴むと、俺のチ○ポを口へと運び入れ、膀胱にたまっていたものを排出した。 じょろろろろろろろ。 「んぶ。んぐぐぅ! んっんん。ごく、ごくごく……」 驚いたみたいだが、すぐに根元までくわえ込み飲みこんでいく。 俺たちはこうしてお互いに喉の渇きを潤したわけなんだが……。 誰だろね? こいつ。
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http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1306742825/156-164 「加奈子って、変わったっしょ?」 目の前に居るクソガキ、いや、今では“元クソガキ”と呼ぶべき来栖加奈子が 俺に同意を求めながら話し掛ける。 三つも年下でありながら、俺に向かってタメ口全開なのが気に食わないが、 言っていることそのものには全面的に同意できる俺が居た。 そう。こいつ、加奈子は俺と付き合うようになって変わった。 「髪型も変えたしィ」 加奈子はかつてのツインテールを止め、ストレートヘアに髪型を変えた。 ただし、俺とふたりきりの時限定だけどな。 これで黒髪なら超ストライクなのだが、残念なことに加奈子は生来の黒髪を 染め続けている。桐乃と同様、仕事の都合だから仕方ないとはいえ残念だ。 「呼び方も変えたしィ」 コレが一番効く。かつては『オメー』とか『クソマネ』とか言われていたが、 今では『京介』と呼ばれるようになった。これもふたりきりの時限定な。 俺の周囲の女共は、『アンタ』『京ちゃん』『貴男』『京介氏』『お兄さん』 『高坂先輩』という呼び方だったので、『京介』と呼び捨てにする女の子の 存在は実に新鮮だ。もっとも、恋人同士なら普通なんだろうけどな。 「体つきも女っぽくなったっショ?」 確かに‥‥‥以前の小学生のような体型とは少し違う。 胸もホンの‥‥‥少しだけ大きくなって、以前とは感触が変わった。 そして‥‥‥アソコも‥‥‥グフフッ。 「‥‥‥オイ、オメー!? 加奈子が話しているとき別のこと考えてんのかヨ?」 う‥‥‥、二人きりなのに『オメー』呼ばわりするってことは怒っているのか。 加奈子って、怒らせると意外と怖いんだよな。 「さっさと白状しろヨ。一体ナニを考えていたんだっつーの!?」 俺は加奈子の躯の変化を考えていたことを即ゲロしてしまった。 「こ、この‥‥‥すけべ! そんなコト、考えていやがったのかヨ!?」 「スケベって、お前!? 意味わかんねーよ!」 俺は俺の下でベッドに仰向けになっている全裸の加奈子に反論した。 無論、俺も全裸であり、そして‥‥‥つーか、この状況で躯のことを考えて スケベ扱いするんですか、加奈子サン? 「あーあ、こんなすけべと一緒に居たら、ナニされるかわかんねえし」 そう吐き捨て、ベッドから出て服を着ようとする加奈子を俺が見つめていると、 「ナニ見てんだヨ? すけべ! あっち向いてろヨ」 加奈子のスケベと非スケベの判定基準はかなり風変わりだ。 俺とさっきまであんなにスケベなことをしていたってのによ。 だが反抗しても仕方ない。俺は加奈子の言う通り、壁を見つめることにした。 ‥‥‥‥‥‥ 「オッケー、オッケー、京介! もういいゼ。うんじゃな!」 服を着終わった加奈子は、軽い感じの言葉を残し、部屋のドアの前まで行くと、 何かを思い出したかのように、そこで立ち止まった。 「京介」 そんな加奈子の声に反応して、ドアの前に佇む加奈子に俺が目を向けると、 加奈子は俺に背を向けたまま、自らのスカートを捲り上げた。 「なッ!!!」 ω ← こんな風な生尻である。加奈子のヤツ、パンツ穿いてねえ! ふと横を見ると、ベッドの脇の床に加奈子のパンツが落ちている。 「お前、ちゃんとパンツ穿けよ!」 「うん? ぱんつぅ? お家の中くらいいいジャン!」 「どこぞのアニメキャラみたいなセリフを言うな!」 「オメーのせいだろ。『脱がせっぱなしはダメ』って教わらなかったのかヨ?」 「何だよ、それ!? まるで俺がパンツを脱がせたみたいじゃないか!」 「違うのかヨ?」 「いや‥‥‥違わない。つーか、いいから、ちゃんとパンツ穿け!」 「んじゃ、穿かせてくれヨ」 また始まった‥‥‥ 落ちている妹のパンツを見て、首がもげそうなビンタを喰らったのとは大違いだ。 「わかったよ。こっち来い」 「にひひひ、このすけべ」 俺は床から拾い上げた加奈子のパンツを両手で持ち、加奈子の前で片膝を着いた。 怪しげなプレイの様相を呈している、と妄想したあんた、それは正解だ。 そして俺の目の前には加奈子のスカート。 そのスカートは、加奈子の秘部を俺の目から護る最後の砦という状態だ。 そんな怪しい状況にある俺が持つパンツに、加奈子は右足、左足とその華奢な 脚を差し入れた。 俺はそれを確認すると、パンツを加奈子の太股の付け根に向けて一気に上げた。 「うっひゃっ!」 俺の手が加奈子の太股の裏側に振れた途端にこの奇声だよ。 さらに加奈子は悪戯心を出したのか、俺の目の前でスカートを捲り上げる。 だが、スカートが捲り上がったと同時にパンツが秘部を隠したので、 いやらしい光景が展開されることはなかった。 「ちぇ~!」 加奈子の恨めしそうな声が俺の頭の上から聞こえた。 とまあ、こんなことをするのが、今では俺たちの平常運転だ。 ふん。どんな誹りを受けようと、俺は爆発などしないからな! ‥‥‥‥‥‥ 数日後、今となっては“元”ラブリーマイエンジェルとなった黒髪の美少女 新垣あやせから呼び出された俺は、またもやノコノコと誘き出された。 加奈子という恋人が居る分際で何を期待してんだ、このリア充クソ野郎は? という印象を俺に持ったあんたは、あやせの性格を理解していないと断言できる。 あやせの呼び出しを拒絶したら一体どうなるか、冷静に考えてみてくれ。 刺されるなんて俺はご免だからな。わかるだろ? それはともかく‥‥‥あやせの最初のセリフはどうせ、いつもの通りだろう。 「お兄さん、ご相談があります!」 やはり予想通りだ。やれやれ、今度はどんな相談だと言うんだ? 「はい‥‥‥実は加奈子のことなんです」 う‥‥‥。俺は全身の毛穴が開く感触を味わったね。 あやせの呼び出しなんて、どうせロクな話じゃないとわかっていたはずなのに。 しかも今回は加奈子のことだと? すげえ嫌な予感がする。 「あ、あいつが一体どうしたんだ?」 「最近、加奈子、わたしや桐乃とあまり遊ばなくなったんですよ」 「それって、つまりどういうことなのかな?」 思い当たるフシのある俺は爆弾処理の如く、探り探りあやせに問いかけた。 「多分、加奈子に彼氏ができたんじゃないのかと思うんです」 「へ、へぇー。あいつに彼氏ねえ‥‥‥」 「はい。でも加奈子ってああいう娘でしょ? おかしな人に引っかかっている気がしてならないんです」 オイ、今何つった? いくら俺でも聞き捨てならんぞ! ‥‥‥と言いたかったのだが、とても言える相手じゃねえよ。死にたくねえし。 「それにわたしの友達が、加奈子が彼氏と一緒に居るところを目撃したようです」 な、なんですと? 何時のことだ? 「加奈子よりもずっと背が高くて‥‥‥そう、お兄さんと同じくらいで」 「‥‥‥」 「それと、お兄さんのようにスリムで華奢な感じだったらしいです」 「‥‥‥それで、その彼氏はどんな顔していたのかな?」 片足をトラバサミに突っ込む気分であやせに問いかけた。 「爽やかな感じの、どちらかと言えばイケメンだと聞きました」 「そ、そうなんだ」 「なんでニヤついているんです? 気持ち悪いですよ」 「気のせいだ」 「その彼氏、”イケメン”らしいですから、お兄さんとは正反対のタイプですね」 いやね? 俺は別に自分のことを爽やかなイケメンだなんて微塵も思ってないよ? でもね? こういう風に真っ向から否定されると、そりゃ傷つくってもんだぜ。 「‥‥‥それで? 俺に相談ってのは何だ?」 「お兄さんに加奈子の後を尾行して貰って、加奈子の相手を探って欲しいんです」 この女、人を扱き使おうとしやがって。自分でやるという選択肢はないのかよ? 「わたしが尾行したらあっという間に加奈子にバレてしまいます。 その点、お兄さんなら加奈子の印象も薄いから変装すればバレませんよ」 無理! だって俺と加奈子は恋人同士だもん! 変装したって無理!! と言いたかったのだが、とても言える相手じゃねえよ。あやせだもんな。 ‥‥‥‥‥‥ さらに数日後。俺は以前から約束していた加奈子とのデートに出かけた。 不本意ながら、あやせに命令、いや頼まれた“加奈子の彼氏を探る“という ミッションも同時に実行しなければいけないんだよな。 さて、どうしたものか‥‥‥ 「おーし! 今日行くところは―――」 加奈子とのデートでは、いつも加奈子が主導権を握っている。 何処に行くのかもガンガン決めてくるんだよな。 麻奈実の「どこでもいいよ」や、桐乃の「行きたいトコを当てなさいよクイズ」 に比べたら超イージーモードと言えるほど、スゲー楽だぜ。 そんな、いつもの調子で加奈子とのデートの刻は過ぎていった。 だが、そんな刻を掻き乱す影が俺に忍び寄っていることを俺は知る由もなかった。 ‥‥‥‥‥‥ 「ちょっとトイレ行ってくんゼ」 そう言い残して加奈子はデートの場を一旦離れる。 『花摘み』とか表現に気を使えないのかね? ムードぶち壊しだぜ。 などと脳内で加奈子に文句を言っていると、透明感のある悪魔の囁きが聞こえた。 「こ・ん・に・ち・は、お兄さん」 ‥‥‥えーっと、ムードぶち壊しの次は、俺ブチ殺しですか? 俺を呼ぶその声に恐る恐る振り向くと、黒髪の美少女・新垣あやせが居た。 「え‥‥‥、あ、あやせ!? どうしてココに?」 「お兄さんが女の子と、で・え・と・しているという情報が入ったんです!」 「情報って! 誰がそんなコトをあやせに吹き込んだんだよ?」 「わたしの情報網を甘く見ないで下さい。その女の子、何処に居るんですか!?」 こ‥‥‥怖ええええ! あやせさん、怖えええええ! 恋人でもない男のデートの現場に踏み込むなんぞ、並の神経じゃねえよ! しかし‥‥‥あやせの知り合いで、かつ俺の顔を知っている人物って言ったら、 ごく限られるよな? 桐乃と麻奈実くらいしか居ないんじゃないか? 桐乃があやせに“通報する”なんてそれこそ考え難い。そんな回りくどいことを するようなアイツじゃない。麻奈実だって似たようなものだ。 すると、一体誰があやせに通報したんだ‥‥‥? 「聞いているんですか、お兄さん? 彼女さんを紹介していただけませんか?」 あやせのトゲのある重々しい言葉で、俺は修羅場という現実に引き戻された。 「な、なんで!? どうしてあやせに紹介しないといけないんだ?」 「ふ~ん。やっぱりデート中だったんですね?」 しまった‥‥‥。何という自爆。 いや、そんなことよりも、加奈子がこの場に戻って来たら、どうなるんだよ? 俺、死にたくねえよぉ! 「お兄さん? 彼女サンを紹介していただけるんですよね?」 「わかったよ‥‥‥ちょっと連れてくる」 「待っていますからね? お・に・い・さ・ん」 背中に刃物を突きつけられた気分の中、俺は加奈子を探す羽目になった。 こうなったら、加奈子をあやせの前に連れてきて、加奈子と付き合っていると あやせに白状するしかないよな。 正直に言ったところで、まさか命までは取られまい。多分。きっと。 「オイ、京介」 一大決心をした俺を呼び止めるロリボイスの主はもちろん加奈子である。 さて、加奈子を説得し、恋人としてあやせの前に引っ張り出さないといけない。 あのさ、加奈子―――と言おうとした俺の言葉を加奈子は遮った。 「京介、ゴメン」 「ん? 何が?」 「実は加奈子、京介が女の子とデートしてるって、あやせにタレコんだんだよね」 とんでもないカミングアウト、ktkr。一体何で? 俺を殺すつもり? 俺の強ばった表情を伺いながら、加奈子がさらに続ける。 「加奈子たちってサ、付き合っているってまだ誰にも言ってないジャン?」 「そう言えばそうだよな。なんでだろ?」 「なんつーか、チョット恥ずかしいし‥‥‥あ、京介のことじゃねえヨ!」 いや、それ、何となく解るぞ。 「俺たち、付き合ってるぞ!」って積極的に言い触らすって恥ずかしいよな。 それに自分で言うのも何だが、俺たちって意外な組み合わせだし。 でも、何で加奈子はよりにもよって、あやせにタレコミをしたんだ? そんな疑問を持ちつつ加奈子の表情を見ると、加奈子は顔を赤らめて呟いた。 「でもヨオ、付き合っていることを知られたいって気持ちもあるし」 「だからあやせに、俺のデートを目撃したってタレコミをしたのか?」 「うん‥‥‥ゴメン」 加奈子と付き合っているくせに、俺がハッキリした態度を取らずに曖昧な 状態のままで居たからこそ、不安になった加奈子がタレコミという形で 俺たちのことを自慢したかったのだろうな。 クソ! 加奈子に謝らせるなんて俺、最低だぜ。 よし、決めたぞ! 俺は加奈子の腕を取り、あやせの居る方に向かって歩き出した。 「オイ、ナニすんだヨ!?」 「今からあやせに俺たちが付き合っていることを言う」 「正気かヨ!? そんなコトしたら、加奈子たちの明日はねえぞ!?」 「心配するな! 俺がそんなコトさせない!!」 くぅ~! この瞬間の俺ってイケてねえか? 恋人のために命を張る俺。 もし俺が女だったら問答無用で惚れるね。あやせ、驚くんじゃねえぞ! 「あやせ! 話がある!!」 「お、お兄さん!?」 「実は俺、こいつと付き合い始めたんだ!」 「は‥‥‥‥‥‥‥‥‥?」 あやせは?マークを10個くらい浮かべたような表情で俺を見る。 「お兄さん?‥‥‥もう一度言って下さい」 「だから、俺はこいつと付き合っているんだ!!」 「しょ、正気ですか、お兄さん?」 この女、失礼なヤツだな。いくら意外な組み合わせと言ったってそれはないだろ! 「正気だとも! だがな、お前に俺たちの愛を邪魔なんてさせないぞ!」 「くぅっ‥‥‥この、変態!」 「変態だと? 俺のドコが変態だと言うんだ!?」 「そんなモノと付き合って居るなんて、変態にも程がありますよ!!」 「『モノ』だと? 聞き捨てならんな。お前、こいつの友達だろうが!」 「わたしにそんな友達居ません!」 この女! 加奈子を友達じゃないって言うのか! 俺は加奈子の居るはずの方を振り向くと、そこに居たのは‥‥‥ 某エロゲ販売促進用のビニール製等身大人形だった。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥え? 加奈子のヤツ、いつの間に変わり身の術を身につけたんだ? はははは、お茶目さん。 と、事態を把握したところであやせの顔を見ると‥‥‥ 俺を巨大なシュレッダーに放り込みたいような表情をしていた。ああ怖い。 そこから先の記憶がない。 残っているのは、顔面に鈍痛を感じながら地面にキスをしている俺に 加奈子が話しかけた以降の記憶だった。 「京介、大丈夫かヨ?」 「お、俺、一体どうなったんだ?」 「あやせ様の顔面ハイキックが炸裂したんだよ。加奈子も初めて見たけどヨ」 「あ! お前があんなコトするから、俺は―――!」 「いや、やっぱ、あやせ相手に説明できっかヨ? 無理だべ?」 確かに‥‥‥。俺が人形と付き合っていると言ってあの蹴りなのだから、 加奈子と付き合っているなんて言ったら‥‥‥殴? 刺? 炙? 埋? いずれしろ、考えたくもねえ。いずれにしろ、告白しなくてよかったのかもな。 ‥‥‥‥‥ 「今日は悪かったナ、ごめんヨ」 畜生。また加奈子に謝らせちまった。今日の俺はますます最低だ。 加奈子と付き合っているのに、『加奈子は俺の彼女」と毅然と言えないなんてな。 「そんな落ち込むなって、京介」 「いや、俺が全部悪いんだよ。お前が恋人だって誰にも言えないなんて最低だよ」 「そんなコト言うなヨ。加奈子は今で満足なんだからヨ」 「‥‥‥情けないぜ」 「何だか、元気ねえジャン」 「これで元気を出そうって言ってもな‥‥‥」 「よしッ! “ひみつのまほう”を京介にかけてやっから、元気出せヨ!」 そう言うと加奈子は、俺の背中に両腕を回して俺を抱き寄せた。 俺と加奈子の顔が超至近距離になる。そして、 「えいっ!」 きゅっ 加奈子の掛け声と同時に、そんな音が俺の下半身から脳に伝達された。 「うおおおおおおおおお‥‥‥!!」 加奈子は“俺”を絞め付けてきた。 「す、すす、SUGEEEEEEE!」 「おー、元気出たジャン!」 ベットの上で求め合っていた俺たちに“ひみつのまほう”の効果は絶大だった。 俺たちは一気に燃え上がり‥‥‥そして俺は加奈子にコッテリと搾られた。 ‥‥‥‥‥‥ 「にひひひ。どーよ、加奈子って?」 加奈子がいつものように俺に“まほうの出来”を訊いてくる。 俺もいつものように応えた。 「最高です。加奈子様」 「ねえ、加奈子って、変わったっしょ?」 髪型をストレートに変えて、俺を『京介』と呼ぶようになって、 体つきも女っぽく‥‥‥なった‥‥‥よな? そして、“ひみつのまほう”も使えるラブリーうぃっちに変貌した加奈子。 ああ、本当に加奈子は変わったよ。最高さ! 『ひみつのまほう』 【了】
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「ちょっと違った未来」 ※原作IF 京介×桐乃 朝の光が眩しい。どうやらレポートを書き上げるとそのまま寝てしまったようだ。 授業は午後から。それでも毎朝定時に起きてしまうのはそれまでの習慣からか。我ながら怠惰な性格だと思っていたが意外や意外、割ときっちりしているらしい。 「飯にすっか。」 白米をよそって適当におかずを冷蔵庫から取り出す。それを朝食としながら午前の行動を考える…うん、図書館で勉強でもしよう。 俺の名は高坂京介。今年大学4年生になる。 もともと高校も地元の高校に通っていたし、大学も無事地元の国立大学に合格した。しかも法学部に受かるというちょっと意外な結果だった。 これには両親、親父とお袋も大いに喜んでくれ、かねてから考えていた一人暮らしの用意もしつつ俺の人生は色鮮やかなものとなっていた。 真奈美や赤城とは学部が違ってしまったのはさびしい気がするけれど、今でもたまに一緒に食事をしたり遊びに出かけたりする。付き合いはあの頃から全然変わっていない。 変わったのは―――俺と家族、とりわけ桐乃との関係だ。 大学合格の通知が届いた時、家族は総出で祝ってくれた。お袋はもちろん、親父もいつになく笑みをほころばせ嬉しそうに話しかけるのだ。よかったな、京介と。 とりわけ驚いたのは桐乃だった。いつもどおりの悪態はどこへ、大はしゃぎしながら携帯でメールを打つ。そうしたらすぐに俺の携帯にメールが届いた。 黒猫に沙織、あやせに加奈子、瀬菜からのお祝いメール。今でも思う。いい友達を持ったと。 その日は家族でお祝いに外食に向かった。少し高級そうなイタリア料理店で親父が勝手がわからんとばかりにときおり「むう…」と言っているのがほほえましかった。 桐乃の選んだ店で、前々から一度来てみたかったんだと。 その日はとても楽しかった。いつもより家族の団欒が暖かかったのは錯覚じゃなかったと思う。 数日後親父に呼び出された。大事な話があるからと。親父の部屋に入るとお袋も座っており、俺も礼にならって姿勢を正しつつ椅子に座る。 そこで聞かされたこと―――それは俺は親父とお袋の血が繋がった子供ではないということだ。 18年前親父は刑事の試験に合格したばかりの新人で、半人前の域をでない新米刑事だったという。そこで親父の教育係としてきたのが、俺の本当の父親に当たる人だという。 親父が刑事として初めて配属されたのが殺人等を扱う課で初めて任された事件が銃殺による殺人事件だった。そこで親父とその先輩刑事、俺の本当の父親は重要参考人として任意での事情聴取を行うべくその家に出向いた。だが、それがまずかった。 犯人と思わしき者は激昂、銃を親父に突きつけた。そのまま親父は死を覚悟したらしいが血を流して倒れていたのは先輩刑事だった。 そのまま犯人は取り押さえられ、殺人の罪で刑務所へと収監された。 親父は自分の身代わりになった先輩のことを思うと涙が止まらなかったという。だが、それで終わりではなかった。その先輩には子供がいたのだ。名は京介。 先輩刑事の妻、俺の本当の母親に当たる人は俺を生むと同時に息を引きとり、しかも身寄りもなかった。親戚はいたが疎遠で、葬式の時は子供の引き取りにそ知らぬ顔であった。無理もないと思った。ほとんど知らない他人当然の親族の子供を誰が引き取るのか。しかし親父は逆に光に見えたという。 この子を代わりに育てる。妻も賛成してくれ二人で京介を育てる決意をした。 初めは罪滅ぼしの気持ちが強かったがやはりはじめての子供というのか、俺を実に可愛く思えたという。 その3年後、桐乃が生まれた。 その話を聞いてからの数日はよく覚えてない。正直その話ばかりが頭にぐるぐる回っていた。だが、怒りや憎しみなんてなかった。 俺は親父とお袋に感謝していた。お袋だって普段あんな言葉を取るがそれが息子への愛情の裏返しだってわかってる。親父だってそうだ。俺と桐乃に血のつながりなど関係なく公平に接してくれた。そうでなければあの話を打ち明けてくれたときあんなにも優しい目を二人ともしていたわけがない。今だってそうさ。感謝している。 問題は桐乃だ。 俺は桐乃にたいしてどう接していいのかわからなくなった。今まで兄として桐乃と付き合ってきた。だが血が繋がってないと知ったとたんそれが何を意味するのか。俺の心の底に蠢く黒い塊はとても抑えられそうになかった。 俺は桐乃から逃げるように家を出た。 (少し昔のこと思い出しちまったな。) あれから家には夏の盆や正月以外帰っていない。が、連絡はよくし合う。というより帰りづらい。なぜなら、 「兄貴~来たよ~。って、もう起きてんの?」 まあ、こういうことである。 あの後俺の行動を不審に思ったのか、俺のアパートに桐乃が押しかけてきた。俺は話をはぐらかそうとしたが、桐乃は全て知っていたらしい。 「アメリカ留学の時にね、兄貴が養子だってわかっちゃった。」 その後どちらが先にお互いを求めたのか、よく覚えていない。恍惚の中桐乃は俺への想いを口にした。ずっと好きだったと。誰にも取られたくなかったと。 俺も精神的にすこしきていたのかもしれない。それまで抑えていた桐乃への想いを口にしつつお互いを貪り合った。それは獣のようでお互いに初めてとは思えなかった。 そのあともたびたび桐乃は俺のアパートを訪れた。悪態をつきつつ世話を焼いてくれ、お互いの愛を確かめ合う。そんな日々が丹念に積み重ねられた。
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桐乃視点 01 / 02 / 03 / 04 / 05 / 06 / 07 / 08 俺の後輩は猫 桐乃のリビドーが有頂天でとどまるところを知らない 01 / 02 / 03 リアの初体験 桐乃の告白でえらいものが目覚めた 俺と桐乃は 桐乃と黒猫と俺の萌え 01
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http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1311182440/30-40 ・京介、加奈子メイン 他何名か登場 ・エロ無し ・若干の暴力描写有り 「クソ…なんで加奈子がこんな事しなきゃなんねーのヨ」 と、悪態を吐くツインテールの少女-来栖加奈子。 「はいはい。この設問解き終わったら休憩にするからな。 それと、いつも言ってるけど女の子がそんな口のきき方するんじゃねえよ」 そして勉強を教えているのは、俺…高坂京介である。 なんでこんな事になっているかというと、無事大学受験を終えたのだが 大学生にもなると色々と金がかかる。 性に合わないのでコンパ等は極力断ってはいるが、それでも金はかかる。 それに、高校時代であれば学校へ行くのは学生服だったが大学生ともなれば私服だ。 別にブランド等に拘りがあるわけじゃないが、それでも高校時代と比べれば服に金がかかる様になった。 まぁこれは桐乃の影響が有ると思う。悔しいけどな。 大学生になってまで小遣いを貰うのも気が引けていた為、バイトを探していた折に麻奈実が 「きょうちゃーん、あるばいと探してるしてるなら家庭教師さんやってみない?」 と、誘ってくれたのだった。 なんでも元々は、麻奈実に家庭教師の話が来たらしいのだが、既に数人の生徒を受け持っていて これ以上増えると一人一人にあてるクオリティが下がるのが嫌らしい。なんとも麻奈実らしい理由である。 もっとも俺に家庭教師なんか出来るわけが無いと断ろうとしたが 「きょうちゃんは、ちゃんと理解して覚えていくタイプだから、お勉強教えるのも出来ると思うよー。 それにねー、天才肌の人よりも努力家の人の方が、先生に向いてると思うなー」 別に自分が努力家だとは思わないが、大学に入る為に苦労したし、頑張って勉強したのは確かだ。 まぁそれも麻奈実という優秀な家庭教師のおかげで合格出来たというのは間違いでは無いだろう。 ともあれそんな我が恩人の勧めを無碍に断る事は出来ないし、家庭教師ともなれば時給もそれなりだろう。 おい!?高時給に目が眩んだとか思うんじゃねえぞ? 「解った。俺の家庭教師である麻奈実の勧めとあっちゃあ断る理由は無いし こっちも丁度バイト探してたから、渡りに船だ。ありがとな、麻奈実」 「えへへー、そんな感謝されると照れちゃうよー///」 そんなこんなで家庭教師のアルバイトをする事になった訳だが、話によると俺が受け持つ予定の生徒は 今年俺の母校に入学した新入生で、入学後最初のテストで全教科赤点を叩き出した問題児らしい。 そんな事態に親御さんが危機感を覚えたらしく、その問題児の友人の家庭教師をしている麻奈実に話が来たという事だ。 もっとも俺の通っていた高校は、進学校という訳では無いが、それなりに勉強をしていないと入れる高校ではない。 なので初めてのテストで緊張したとか、体調が悪かったとか、初めてのテストを侮って対策を怠って居たとかだろう。 地図によるとこのマンションか…「えーと来栖、来栖っと…お、ここだ」 って今気付いたが、来栖ってどっかで聞いた事あるな。 この辺りじゃあ珍しい苗字だから知り合いなら覚えていると思うのだが思い出せない。 初めての家庭教師で緊張しているのか、なかなか開かない記憶の引き出しと格闘していると、来栖家の玄関に到着した。 「よし」と気合を入れ、インターホンのボタンを押す京介。 ほどなくインターホンのスピーカーから『ガチャ』という音が聞こえ 『はい、どちらさまでしょうか?』 と女性の声が聞こえる。母親だろうか? 「来栖さんのお宅でしょうか?本日より家庭教師をさせて頂く事になりました高坂です」 『ご苦労さまですー、今開けますねー』『ガチャ』 と、インターホンの受話器を戻した音のすぐあと、『パタパタパタ、カチャカチャ』と鍵を開ける音がし扉が開く。 扉が開かれると、そこには小柄だが母親であると思しき女性が顔を出した。 「はじめまして、高坂京介です。よろしくお願いします」 「ご丁寧にありがとうございますー。娘の家庭教師をして頂けるという事でよろしくお願いしますね。 こんな所で立ち話をするのもなんですから、中に入って下さいなー」 リビングに通され、ソファに腰を掛ける。 って、え?今娘って言った?てことは女子高生かよ!?麻奈実のヤツの勧めだからてっきり男子かと思っていたが… しかも高校1年って事は、桐乃の同級生じゃねえか。 正直この年頃の女の子は難しい。 しかも、京介のよく知る女子高生というと、桐乃やあやせ、黒猫、瀬菜、沙織と曲者揃いである。 頭に浮かぶ面々を思い、思わず尻込みする京介に母親が声を掛ける。 「ごめんなさいね。今日は早く帰るように言ってあったのだけど、まだ帰っていないのよねぇ」 「いえ、まず最初は保護者の方と勉強の方針等をご相談させていただこうと思っていましたので」 これは麻奈実に言われたんだが、まずは親御さんの希望を聞いておいた方が良いだろうという事だった。 確かにスポンサーの意向を汲む事は大事だし、親御さんと話をする事で方針等を決める指針になるだろう。 もっとも話をしていて解ったのだが、この母親は特に教育ママという訳では無く、学校の勉強に着いていけなくなると 学校自体が嫌になってしまい、折角の高校生活を満喫出来ないのではないか? という気掛かりから家庭教師を着ける事にした…との事である。 であれば、主に復習に重点を置くのがいいだろうと、京介が基本方針をどうするか考えていると 『ただいまー、あー疲れたー。あれ?誰か来てんの?』 「あら、娘が帰ってきたようだわ。紹介しますね。娘の加奈子です。ほら加奈子も先生にご挨拶して」 ------ん?加奈子?来栖加奈子?って知ってる名前のような… 「あー、カテキョー来るって言ってたっけ?加奈子は勉強なんかしなくてもアイドルで食ってくって言ったじゃんかよ。ん? あ、テメー!桐乃のアニキじゃんか!?加奈子のカテキョーってお前かよ!?」 「はじめまして、高坂京介です…って、げっ!加奈子か!?」 「あらあら、二人とも知り合いだったのね」 ニコニコと穏やかに笑う母親を尻目に、驚嘆する京介と加奈子。 「じゃ、じゃあ早速べ、勉強教えてもらおうか…な?」 食って掛かった割りにいやに素直な加奈子に???な京介だったが、自分は勉強を教えに来た家庭教師だという事を思い出し 「あ、ああ。お母さん。加奈子さんもああ言ってる事ですし、早速授業に入らせて頂きます」 「ええ、宜しくお願いしますね」 「は、早く来いよ…加奈子の部屋はこっちだからよ」 「加奈ちゃん?先生に失礼のないようにね?」 「わ、わかってるよ」 ズンズンと大股で歩く加奈子。 「ここだよ。まあ入れ」 「おう」 加奈子の部屋に通された俺は、思わず感心していた。 部屋は綺麗に整頓されているが、俺の部屋のように殺風景な訳ではない。 年頃の女の子らしく、可愛い小物が所々に配置されてはいるが、どれも主張し過ぎずに良い部屋のアクセントになっている。 部屋の色調も淡いピンクがメインになっているが、色のどぎつい物等も無く、程よく落ち着いている。 そしてやはり甘い少女特有の良い匂いがした…って俺は変態か!!! 「おい、あんまジロジロ見るなよな」 「あ、ああ、すまん。だが思ったより綺麗で感心したよ」 「テ、テメー!思ったよりって何なんだよ!?」 「お前って喋り方がガサツだろ?だから部屋もそんなんなんじゃねえかってちょっと思ったんだがな。そんな事はなかった。 それになんだ…普通に年頃の女の子らしい可愛い部屋なんだな」 「そ、そうかよ…」 俺が素直に褒めると、これまたおとなしくなる加奈子。 こいつ黙ってれば可愛いのにな。 「加奈子はてっきりモテナイ男が女の子の部屋に初めて入って、「ああ良い匂いがするなぁ」とか考えてるのかと思ったぜ」 「ア、アホか!?女の子の部屋に入るのは初めてじゃねえし、そんな匂い嗅ぐなんて変態みたいな事するか! ほら、勉強するぞ勉強」 「キヒヒwww誤魔化したwwwこりゃ怪しいなぁwwwもしかして加奈子、貞操のピンチじゃね?wwwwwww」 こら!草を生やすな草を!やはりこいつは可愛くなど無い。 「誰がお前みたいなチンチクリンに欲情するかよ」 「あー、ひっでえ。オメーはシラネーかもシンネーけどよ、加奈子ってケッコーモテんだぜ?」 「はいはい、言ってろ言ってろ、俺はチンチクリンなツインテールよりも、清楚な黒髪ロングが好みなんだよ」 「けっ、いまどき清楚な女なんかイネーヨ。清楚に見えたって、裏じゃ人埋めてそうな腹黒い奴だって居るしよ」 おいおい、人を埋めるって尋常じゃねえな…最近の女子高生には、そんな犯罪者まがいが居るのかよ… 馬鹿話の甲斐あってか、加奈子の緊張もほぐれたみたいだし、俺も緊張が程よくほぐれた。 俺もこいつの勉強を見て報酬を貰う以上は、そろそろ真面目に授業をしなくちゃならん。 「さ、雑談はこれくらいにして授業を始めるぞ」 「えー?マジにやんのかよ?加奈子芸能界で食ってくし勉強なんてしなくたって大丈夫だって」 「そうはいくか。もし芸能界で仕事していけなくなったら、普通に学歴社会の中に放り出されるんだぞ?」 「ていうか加奈子芸能界諦めねーし、もし芸能界引退する事になったらお嫁さんになるからダイジョーブだって」 「お前な…嫁の貰い手が有るかわかんねーのに何言ってんだ?ひとまずこの前のテストの回答見せてみろ」 「げっ、なんでこの前のテストの事知ってんだよ?」 愚痴をもらしつつも渋々といった様子でテストの答案を渡してくる加奈子。 正直な感想を一言で言おう。 『これはひどい』である。 どうやって高校受験を突破したのだろうと不思議になるほどだ。 おいおい、こりゃ基礎からじっくりやらなきゃ駄目そうだな。 用意の良いことに、麻奈実が作ったという、基礎の確認に使える簡単な問題集を貰っておいてよかったぜ。 「まずな、この問題集から始めるぞ」 そして冒頭に至るのである。 「クソ…なんで加奈子がこんな事しなきゃなんねーのヨ」 「はいはい。この設問解き終わったら休憩にするからな。 それと、いつも言ってるけど女の子がそんな口のきき方するんじゃねえよ」 「は?いつもって何だよ?お前にそんな注意された事あったっけ?」 あ、俺が偽マネージャーやってたのは内緒だった。 危うくマイラブリーエンジェルハイキックで宙に舞うところだったぜ。 なんとか誤魔化す事に成功し、俺の説明を聞きつつなんとか問題を終わらせた加奈子。 「ていうか、マジで勉強なんてやってらんねーし」 「お前さ、そんなんでどうやってウチの学校入ったんだよ? あの程度の問題で苦労するようじゃあ、よっぽどじゃねーとウチの高校入れないだろ?」 「そりゃ加奈子だって勉強したもん。桐乃やあやせと同じガッコ行きたかったし、桐乃もあやせも一生懸命 加奈子に勉強教えてくれたんだから、そんな期待を裏切るような事デキネーッショ?」 なるほど、そうゆう事か。 メルルのコスプレイベントの時もそうだったが、こいつは興味のある事や、期待されていると力を発揮するのだ。 であれば、こいつにどうやって興味を持たせるか…だな。 「あのな加奈子、勉強は必要ないって言うけどよ、芸能界で息長く成功している人達には頭の良い人が多い。 もちろん、必ずしも皆が皆そうだとは言わないけどな。 勉強が出来る事で芸能界で成功するチャンスを広げられるなら、勉強しておいて損は無いと思わないか?」 「ちょ…おい、それマジかよ?」 「ああ、マジ山マジ男だ」 加奈子の眼の色が変わる。 ていうかマジチョロ過ぎですよ加奈子さんw そんなこんなで、加奈子の家庭教師一日目が終了した。 当初の想像とは大分違ったが、加奈子も勉強する気になってくれたし万々歳なんじゃねーかな。 「さて、初めてのバイト代も入った事だし、夏服でも少し見にいくか」 しっかし、一ヶ月で平均点を上回る位まで勉強が出来るようになるとはなぁ… それにしても、いくら加奈子の成績がよくなって色を付けてくれたとは言え、5万円もバイト代が出るとはな。 加奈子のおかげでもあるし、服を買いに行ったついでに髪留めでも買ってやるか。 夏向けのシャツと、小物コーナーに有った水色のリボンを無事購入し、折角町に出たのだから、ちょっと散策 してみようかと思ったところで、何かが聞こえてきた。 「………!……!?……ヨ!」 「こ……!……!!!……ああ!?」 ん?なんだ言い争いか? どうやらこの路地のようだが…ていうか女の子一人に男三人ってみっともねぇなぁ… 幸い親父の勤めている警察署も近い事だし、通報してお説教食らってもらうt…っておい、あのツインテールは 加奈子じゃねーか! クソッ、何やってんだアイツ!? 「ハァ!?誰がテメーらみてーなつるまねーと満足にナンパもデキネーような連中についてっかよ」 「あんまチョーシこいてっと拉致ってまわしちまうぞ?」 まったく政令指定都市になってしばらく経つってのに、この手合いは居なくならないもんだな…。 「おいおい、それ位にしとけよ。女の子一人に男が三人ってナンパにしたってタチ悪いんじゃないのか?」 「あぁん?誰だてめー?」×3 「え?なんで…お前が…」 「俺はコイツの保護者みたいなもんでね、それ位にしてやってくれないか?」 「ハァ!?横からシャシャリ出てきて、こっちの獲物かっさらおうったってそうはいかねぇんだよ!」 まったくこの手合いってのは、なんでこう直結的思考なのかね…と頭の中でごちる。 その瞬間加奈子の両目が見開かれた。 「オイ!アブねえ!!」 「??……っ!?」 ガンッ!とした強い衝撃を背中に感じたと思いきや、目の前にアスファルトの地面が迫ってくる。 いきなり後ろから蹴られた…のか?と、突然の衝撃に混乱しつつもなんとか顔面から地面に突っ込むことを回避する。 が、不意に背中を強く打たれた為、呼吸がままならない。 「ライダーキック炸裂ーwww」 「グ…カッ…ハ……」 「何コイツ?正義の味方ちゃん?ギャハッwwwwww」 後ろから蹴りを入れてきた4人目と思しき男が耳障りな笑い声を上げる。 「あーあ、お兄さんかっこ悪いの。ていうかメンドクセーからさっさと攫っちまおうぜ」 路上に停められている黒のバンを指差し男の一人が下卑た笑いを上げる。 「京介!!大丈夫か?オイ!誰か助けてくれよ!!!」 少女の悲痛な叫びが響くが、皆我関せずといった様子でそそくさと離れていく。 そりゃそうだ、こんな訳の解らない手合いに態々関わりたいといった奴はそうそう居ない。 俺だって絡まれているのが加奈子じゃなければココまでしたかは解らない。 「じゃ、正義の味方のおにーさん、さよーならっと!!!」 「!!!」 腹部に衝撃が走り、喉から酸っぱい物がこみ上げてきて、視界が白く霞む。 男の一人が去り際に蹴りをくれたのだった。 「キャッ!?痛い…!離せよ!」 加奈子のツインテールを掴み、乱暴に連れて行こうとするのが見える。 チ…クショウ…、そりゃ俺は日々平穏に過ごそうとしてきたから喧嘩なんてした事ねえ。 けどよ、目の前の女の子一人助けられなくて良いのかよ…高坂京介、お前はその程度の男なのかよ! 目は霞んでいて良く見えない。 胃から込み上げてきている物のせいで呼吸もままならない。 もろに蹴りをもらったせいで足もガクガクだ。 不意打ちを貰った上に4対1では勝てるはずが無い。 「嫌っ!痛い!離せってば!!!」 耳朶に加奈子の声が響く。 目は霞んでよく見えないが、加奈子が上げる悲鳴で方向は解る。 呼吸もままならないが、頭は驚くほどにクリアだ。 足はガクガクだが、立てない訳ではない。 4対1では勝てる筈は無いが、せめて加奈子さえ逃がせば良い!!! 「………っ!」 気が付くと俺は、加奈子の声のする方向へ走り出し、微かに見える輪郭から男の一人に背後からタックルをしていた。 「つっ!?んだこの野郎!!!」 男の一人に体当たりをした俺はそのままもんどりうって男と揉み合いになる。 が、しかし、他に3人居るのだ。 最初は何が起こったか理解できないでいた男達であったが、状況を理解した1人が俺に蹴りを入れたと同時に 他の二人もこちらへ駆け寄ってきた。 へへ…これでリンチは免れないが、加奈子は逃げられるだろ…と覚悟を決める。 「おい!京介!!!なにやってるんだよ!なんで逃げないんだよ!」 おい、お前が逃げないと俺の計画が台無しになるんだが…と何とか意識を両手で強く離さないようにしていた刹那 「歯を食いしばれ」 「え?んッガ!?」 『ドサッ』という鈍い音とともに、男が一人目の前に落ちてきた。 そして立て続けにまた例の『ドサッ』という音が立て続けに聞こえ、周囲からはうめき声しか聞こえなくなる。 「立てるか?いやそのまま横になっていた方がいいな」 「え?オヤ、ジ?」 「暴行及び傷害の現行犯で逮捕する」 「…れて。京介さんが助けに来てくれなかったら…私」 「それは大変な思いをした。なにより無事でよかった」 「…ん?ここ…は…?」 「む?気が付いたか京介」 「京介!!!」 カーテンの向こう側で事情聴取を受けていた加奈子が駆け寄ってくる。 ってここは…?なんで俺はベットで寝てるんだ? 「京介!京介!よかった、無事で…」 「え?ちょ、おま、イタタ」 「あ、ごめ…ん」 えーと、なんで加奈子が俺に抱き付いて来るんだ? 「よくやった、京介」 「親父?」 「話は来栖さんから聞いた。後でお前からも事情聴取する事になるが、まずはよくやったと褒めておこう」 「ああ、そっか…俺、あいつらと取っ組み合いになって」 「あれは取っ組み合いなんていう物ではない。オレが駆けつけた時にはリンチにしか見えなかったぞ」 話を整理すると、昼食を取りに外出していた親父が、たまたま怒声を聞き、俺がリンチされている現場に出くわし、 一人で四人の男を投げ飛ばし、制圧したということらしい。 ちなみに男達は、すでに親父の手配したパトカーに連れられて今頃警察署でこってり絞られているだろうとの事だ。 「クソ、情けねえなぁ。女の子一人守れず、挙句の果てに気を失っちまうなんてよ」 「そんな事無い!京介が助けてくれなかったら、加奈子は…加奈子は…!」 あー、だからもう泣くなって、こいつが泣いてるせいで全く持って調子がでやしねえ。 「うむ。お前の取った行動は勇気ある物で、全く恥じる必要など無い。むしろ立派な息子を持ったと嬉しく思う」 ってオイ!良い年したオッサンが頬を染めるな!気持ち悪い! ふとそこで幾つかの違和感に気が付く。 「そういや加奈子お前なんで髪の毛下ろしてるんだ?」 「あ、うん。あいつらに連れて行かれそうになったときに暴れたから落としちゃったみたいで」 なるほど、じゃあ丁度よかったかもな。 「なぁ親父、現場に服が入った袋落ちてなかったか?」 ああ、これか、ちゃんと拾ってきてあるぞ。と手渡してくれる。 洋服の入ったビニール袋から、掌くらいの大きさの小さな包み紙を取り出す。 「ほら、加奈子。お前の成績が上がったお祝いだ。そんなに高いもんじゃねえけど、良かったら使ってくれ」 「え?これ加奈子に?」 俺から包みを受け取り、おずおずと袋を開く加奈子。 「お前いつも黄色のリボンで髪の毛括ってるだろ?偶にはこういう色も良いんじゃないかって思ってな」 「ありがとう、京介!」 うわっとと、だから抱きつくなって、あと親父もその「京介もやるようになった」って顔すんなよ! 「へへ…似合うかな?」 「ああ、よく似合ってるぞ」 やっぱ加奈子はツインテールが一番だよな。 「あー、で、そういえばお前いつから俺のこと京介って呼んでるんだ?」 もう一つの違和感の正体はこれである。 今までなら、『オイ』とか『オメー』とか呼ばれてたもんな。 「え?バッ、い、いきなり何を言い出すんだよ!?」 と、顔を真っ赤にして狼狽する加奈子。 お前何そんなにうろたえてんの? いや別に俺だって『オイ』とか『オメー』等と呼ばれたい訳じゃない。 加奈子の本性を見てしまっているため、言うだけ無駄だと心の何処かで思っていたのだ。 「ま、俺は呼ばれ方に拘りがあるわけじゃねえし、好きな呼び方でかまわねえけどな」 しかし、兄さんとか、兄上とか、にぃにとか呼ぶのは、勘弁してほしいが。 「オホン、盛り上がってる所申し訳ないが、私は署に戻らないといけなくてね。来栖さんも遅くならないうちに ご両親と連絡を取って帰るようにしなさい」 「はい。ありがとうございます」 加奈子の奴、ホント外面はいいんだよな。 「京介、お前はこの後検査があるらしい。それと大事を取って一泊入院だ」 「げ、マジかよ…あ、親父この事、桐乃は知ってるのか?」 「いや、まだ知っているのはオレと母さんだけだ」 「だったらよ、桐乃には内緒にしといてくんねーか?余計な心配掛けたくねーし」 「特に隠すような事では無いと思うが。うむ、お前がそう言うのならその方が良いのだろう」 検査の結果、特に異常は無いという事で、翌日無事退院した俺に 「アンタ階段から落ちて一日入院とかチョーウケるんですけどwwww」 という桐乃の嘲笑が待ち受けていた。 ----後日---- 「フフフ、京介…か。加奈子なんかの為に一生懸命になってくれて…あ、そっか糞マネと似てるんだ」 ----さらに後日・学校---- 「あれ?加奈子リボン換えた?」 「へへ、ちょっとイメチェンしてみようかなって思ってよ。どうよ、似合うッショ?」 「うん、前の黄色いリボンも似合ってたけど今度のも似合ってるね」 「んー…でもそれだけじゃなくて、なんか雰囲気が変わったって言うか柔らかくなったっていうか…」 「あー、解った!加奈子恋してるんじゃないの?」 「え、ちょ、ま、加奈子はアイドルなんだから愛される側だっつうの!」 「えー、怪しいなー?誰なのー?もしかして例の家庭教師さん?」 「バ、バッカじゃねーの?加奈子が京介みてーな地味男に惚れる訳無い…と…思う」 「「え?」」 「「京介って…まさか」」 「アニキ…」 「お兄さん…」 01 02
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http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1281447547/167-175 湯上がりで上気した沙織の肌は形容しがたい妖艶さを帯びていた。 俺は沙織を怖がらせないように左手でその頬を掬い取るようにゆっくりと持ち上げ、静かに口付ける。 「んっ……」 同時に右手で沙織の髪に絡めて梳いた。きめ細やかな肌触りが非常に心地良い。 アッシュグレーとでも呼ぶのか、その限りなく灰色に近い黒髪には上品な気品を感じた。 柔らかな唇から名残惜しく離れると、互いの唾液が橋となった。 その光景は極めて煽情的であり、俺は高まる動悸を必死に押さえながら拙い手順で沙織を愛していく。 「沙織の肌も、髪も、とってもスベスベで……まるで絹みたいだ」 「あ、ありがとうございます……」 褒められ慣れていないのか、モジモジしながら呟く沙織の姿に俺は電流が走った。 「沙織……胸、触るぞ」 「は、はいっ……よ、よろしく……お願いします……」 俺ははやる気持ちを抑えつつ、頼りなく沙織の肢体を包んでいたバスタオルを、沙織の両腰を掴んで下へとずり下げた。 ついに顕になった双丘に思わず俺は目を見開いた。 横になっていてもわかるほどその形は張りを保っていた。 先端にある乳首は、その全体像に対してはやや小さめながらしっかりと存在を主張するように浮き出ていて、俺の思い描く巨乳の理想像そのものであった。 これに欲情しないやつは男じゃねえ……! 俺は割れ物を扱うような気持ちで手を震わせながら目の前の膨らみを掴んだ。 「や、柔らかい……」 「あっ、お、兄様っ……あぁっ!」 もはや碌な言葉も出せず、無心で揉みしだいているうちに沙織が突然嬌声を上げた。どうやら掌の真ん中が乳首を刺激したらしい。 ほんの少しだけ余裕が出てきた俺は三本指を作った。 「乳首、弱いんだ……やっぱり、大きいからかな」 「ぁぁっ、そこは……んあっ、ふぁっ、ううぅぅっ!」 右のを三本でコリコリと摘みながら、左を舌で転がしつつ吸い上げる。何が出ているわけでもないのにこの世のどんな果実より甘美に感じた。 口と手の対象を交換して引き続き胸を愛撫する。 「沙織は、何カップなんだ?」 「っ!?い、Eカップですけど……どうしt、あっ、あぁんっ!」 特に意味などないのにこんなに素直に答えるこの少女の健気さは国宝級じゃなかろうか? 「これだけでかくてもEなのか……だけど、この胸は何より最高だな」 「あっ、そんなっ、胸、ばっかり、ふあぁっ」 「じゃあ、そろそろ下もいい?」 「ぇ…ぁっ!」 吸引は怠らずに俺はおもむろに右手を太股に沿わせながら根元へと近付けていく。沙織の従順さが俺のS性を引き出しているのだろうか? 「だ、大丈夫……ですっ。優しく、お願い、します……」 な、なんていじらしい態度取りやがるんだこいつは……! 沙織から今までより強く、貪るように唇を奪い、 バスタオルを掴んで放り投げた。今、沙織は完全に生まれたままの姿となった。 「あっ……!」 咄嗟に沙織は体を抱えるようにうずくまった。 (ちょ、ちょっと急きすぎたか……?) 「あ……沙織、その……ゴメンっ!」 「……ばか……です……」 「え?」 「お兄様ばかり触ってて不公平だって言ってるんです!」 「うおぁっ!」 突然沙織が飛び掛かってきて俺のジーパンをひんむき、瞬く間に俺も全裸にされた。 「お……お前、さっきまでの恥じらいは……」 「わたくしにだって伴侶となる殿方にしてあげたいことぐらいあるんです!一緒に気持ち良くなりたいから!」 「…………」 「…………え、あの、その……」 「……ふっ、ははははは!」 「お、お兄様……?」 突然頭を抱えてケラケラ笑い出した俺を沙織は怪訝な目で見ている。 「……いや、俺は俺の尺度でしか考えられてなかったって話さ。沙織のしたいことなんて全く気づけずにさ」 「い、いや……そんなことは……」 「ありがとう、沙織。愛してる、一緒に気持ち良くなろう」 「わ、わかってくださればいいんですわ、お兄様。では……」 互いに改めて深いキスをしたあと、沙織はベッドに俺を促して、俺と頭の位置を入れ替えて横になった。 こ、これが世にいう69……! 俺が目の前にある沙織の薄い茂みに興奮を禁じ得ない中、俺の股間をとてつもない快感が襲った。 こ、これはまさか……! 「ふふ……お兄様の、こんなに堅くなってる」 さっきまで十二分に堪能していた極上の乳が俺のモノを柔らかく包み込んでいた。 「ちょ、沙織お前なんかキャラ変わってね!?」 「それも私だ……ですよ。あむ」 「うあぁっ!?」 追撃とばかりに先っぽを啣え込んでくる。このままでは沙織より先に俺の一撃必殺砲が暴発してしまう! 「こんなことで……こんなことで俺はぁーっ!!」 俺の頭で赤い何かが弾け(た気がして)、目の前の魅惑的な穴に舌を滑らせる。ヤツにできて俺にできない訳がない! ここに盛大……いや性大な我慢比べが展開された。 にゅる、にゅる、チロチロ、ぴちゃっ。 レロ、レロ、ジュルジュル、ギュッ、ピンッ。 「うぁぁぁっ……!」 「くぅっ……ふぁっ……あぁんっ……!」 お互いにお互いを高めようとしている結果、舐め方を不規則に変えたり愛液を啜ったり豆粒を摘んだり弾いたり、もうやりたい放題である。もはや意地の問題だった。 「うぅっ……!」 「ああっ……も、もう……!」 びゅるっ!びゅるるるっ! 「「ぅあああぁぁぁぁーーーっ!!」」 結果はものの見事な引き分け。出るものも見事に互いの顔面にかかった。 「「濃い……」」 全く同じ感想を抱いたのを察して、俺達はダラダラの顔でお互いに笑い合った。 「じゃあ、沙織……そろそろ……いいか?」 若さ故か一瞬で再形成されたマイサンを入念に洗った後、俺はコンドームを着ける準備を始めた。 「京介兄様……その……」 「どうした?」 なんとか上手くはめ込んだ。試着したことはないが、図の通りになっているから多分問題ないだろう。 「その……多分私、今日安全日なので……」 「…………」 さっきまでとうって変わってもじもじしながら語りかけてくる。死ぬほど可愛い。 「………………だが断る」 もっとも、返す答えは決まっていた。一瞬どころではない逡巡が混ざったのは健全な男子諸君ならわかっていただけると思う。 「万が一にもお前が妊娠したら、『今の』俺には100%責任を持てない。そんな奴に沙織を愛する資格なんかない」 それとは関係なしに考えても、沙織の膣内から達する前にしっかり引き抜ける保障など全く持てる気はしない。 「だから、いつか結婚する日まで俺は絶対に生でやりたくない。これが俺の立てた誓いだ」 「き……京介さん……!」 見ると沙織は号泣していた。 「ごめんな」 「何を謝るんです……か……。京介……さん、は……わたくしの……全てです……!」 もう言葉は尽くした。 俺は、避妊した自らの分身を沙織の秘所にあてがった。 「行くよ……沙織」 沙織が緊張で震えながらもコクンと頷くと、それがそのまま行為の合図となった。 思った以上にきつい沙織の中を、少しずつ圧し拓いていくと、何かに阻まれるような感触を得た。 「……愛してるぞ」 「……わたくしも……んんんぁっ……!!」 俺は一気にその膜を貫いた。そして間髪入れず奥まで貫き切る。そこで一旦動きを止めた。 「い……いったぁぁい……!」 完全に涙目な沙織を見て、流石に心配になってきた。 「だ……大丈夫か?」 「うぅっ……かなり苦しいけど……それ以上に嬉しいんです。やっと京介兄様といっしょになれて……想像以上でした……」 俺は背中にギリギリと爪を突き立てられながら、接吻を交わした。 しかし、ふと思い立った。 「沙織、あのさ……『想像以上』ってことは、まさか俺で……」 「あ……そ、それは……」 沙織は燃えるような顔色でゆっくりと頷いた。 「なん……だと……」 「ごめんなさいお兄様、こんなはしたない娘で……きゃあっ!?」 気がつくと腰が勝手に抽送運動を始めていた。ヒャア、もうガマンできねえ! 沙織の体を抱き起こし、自分の体を寝かして下から一心不乱に突き上げる。豊かな胸が上下に揺れる様はまさに絶景っ……! 一回完璧に抜いたとはいえ、これほどお互いに気持ちの通じた行為が一回で満足しようはずがない。すなわち、もう限界が近い! 両手で両乳房を揉みしだきながらの上下運動が確実に絶頂を招き寄せていた。 「あっ、あっ、あっ、はぁっ、きょう、すけ、さぁんっっ」 「沙織っ、沙織ぃっ……!」 ドクンッ。溜まりすぎた欲望がついに噴出し、同時に絶頂に達した。 「ああああぁぁぁぁーーーーーっ!!!!」 力尽きた沙織が繋がったまま俺の胸へとへたりこむ。俺は最後の力を振り絞って息子を引き抜いてゴムを縛って何処かへと放り投げ、沙織と共に意識を失った。 目が覚めると、なにやら美味しそうな匂いがした。 「沙織……?」 台所に出てみると、沙織が包丁で長ネギを刻んでいた。……裸エプロンの@ω@で。 「お、京介どのお目覚めになられましたかな?」 「お前何やってるんだ沙織バジーナーッ、恰好はともかく理由を言えーッ!」 「そういう京介どのだってビンビンではござらぬか」 「話を聞け、ってうおおい!」 そういえば昨日全裸で寝たんだっけか!朝立ちと相まって最低な恰好だなおい! 「いやあ昨晩はお楽しみだったでござるなあ」 「まあな……しかし、お前料理できたんだな、すごいうまそうだ」 「京介どののミルクm」 「どうして今の流れでそうなった!」 相変わらずこの沙織は読めない奴だ。でもそれすらも可愛いと思ってしまうんだからどこまでも惚れた弱みだろうな。 「冗談はさておき、花嫁修行の一環としてある程度のレベルまでは叩き込まれているのでござるよ」 「ほう、それはつまり愛妻弁当とか期待して言い訳だな?」 「む、言うでござるな……って、あ……」 俺は喋りながら眼鏡を取り去った。 「で、どうして裸エプロンなんかやってんだ?」 「そ、それは……京介さんのために、こういうことをしてみたかったから……です」 そんでバジーナ状態で照れ隠し、か。全く微笑ましいじゃないか。 でも、デートのときはバジーナでいて欲しいかも、公衆の面前で収まりがつかなくなったら怖いし。 何はともあれ、今はこの彼女との時間をじっくりと味わわなきゃな。 俺より背の高いこの愛しき恋人の頭に俺は手を伸ばして、撫でながら耳元で囁いた。 「たいへんよくできました」 このあと、朝食後に特別デザートがあったり、親父に地獄極楽落としを喰らったり、桐乃と黒猫に散々皮肉と冷やかしを浴びたりしたのだが、それはまた別のお話。 『彼女が眼鏡を外したら』 第一部完
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http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1293190574/686,688,722-735 「おまえ、冬コミ行くのか?」 「えぇ。ぷりりんさんの指導を受け入れて、ちょっと作風を変えてみたの。以前よりは売れるといいんだけど、、」 「ふーん。売れるといいな。しかし荷物が多そうだな。よし、手伝ってやるよ。」 「あなたは受験生でしょ。順当に合格してもらわないと、、、私にも我慢の限界ってものがあるのよ。」 「へいへい。俺の彼女はお袋よりおっかねーな。」 「…が、我慢の意味はお母様のと違うわ。」(ポッ) 「なんだそりゃ?」 「冬休みはずっと塾の特別講座なんだ。31日1日はそれも休みだし、気分転換に手伝いたいんだが、、」 しばらく考え込む黒猫。 「いいわ。ただし、31日の帰りだけ迎えに来ていいわよ。それまでは勉強してて頂戴。」 「わかった。」 「おう!お疲れ。売れ行きどうだった?」 「部数を絞った事もあり、おかげさまで完売よ。」 「それにしても前回よりすげー売れてるじゃん!よかったな。」 「あ、ありがとう……」 「ところで、持って帰る荷物は、、何で完売なのに、こんなにあるんだ??」 「着替えよ。」 「お前、コスプレもしてたのか?」 「…ち、違うわ。せっかくだからこの後、貴方と二年詣りに行きたいんだけど、、」 「大晦日だしな。いいよ。」 「それで、着替えたいんだけど、更衣室は混んでるし、できれば疲れたので少し休みたいわ、、、」 ま、マジっすか? 「とうとう正体を現したわね、このエロ猫が!」 俺の後ろから現れた桐乃が、腕組みをしたまま黒猫を睨む。 「…な、なぜあなたがここに?」 大きく目を見開き驚いた後、ゆっくりと俺に顔を向けた。説明を求める鋭い視線が突き刺さる。 「いや、その。出かけようとした時に、桐乃にいろいろと問い詰められてだな。」 「コミケだったら、私も手伝って問題ないでしょ?」 桐乃は勝ち誇ったように、ニタニタと黒猫を見下ろす。 「…う、まあ、そうね…」 そんな売り言葉に、どうもいつもの切れがない。 「?あんたマジで具合悪そうじゃん。大丈夫?」 「…ち、ちょっと徹夜が続いてたから…」 黒猫はその場でしゃがみこんでしまった。 桐乃は黒猫に駆け寄り、俺に指を指して怒鳴る。 「ちょっとあんた!ボケッとしないで休めるところ探して来なさいよ!いざという時、ホテル探すのが得意でしょ?」 黒猫がピクリと反応し俺と桐乃を交互に見つめる。 「ま、まさかあなた逹、実の兄妹でありながら、、、」 「ち、ちがーーう。桐乃!てめえこの状況で誤解を招く様なことほざくな!」 なんつー悪魔だ。 「とにかく、私も会場ひと回りしてきて疲れたんだから、休めるところさがしてきてよ。」 俺は仕方なくどこか休憩できるところを探すことになった。 大晦日の夜に、なんでこんなことになってるんだ? 俺は冷静に状況を確認した。 お台場の綺麗な夜景が見えるシティホテルの一室に俺逹はいた。 ツインベットの一つに俺の彼女こと黒猫が寝息をたてて寝ている。 どうやら本当に寝不足だけだったらしい。 そして、俺は妹とソファーに座って部屋に備え付けのWiiで対戦ゲームをやっている。 「くそっ!この!今度こそ落ちろ!」 あのー。桐乃さん普通に楽しんでるんじゃないですか? 「まだ、起きないわねぇ」 「疲れてるんだから、そっと寝かしておいてやれよ」 「ふーん。優しいんだ。私がいなかったら、襲うつもりなんじゃないの?」 「アホか。そんなことするか!」 「うーん、飽きてきちゃった。そうだ、沙織呼ぼうよ!」 何を突然言い出すかと思えば、、、 「おまえ相手の都合も考えろよ。し第一、沙織の家から1時間はかかるだろ。」 桐乃は俺の言葉を無視して、ケータイでメールを打始めた。 ”いま、お台場のホテルにいるんだけど、来ない?” 暫くすると、返信がきた。 ”ごめんなさい桐乃さん、わたくしもちょうど都内に居ますのよ。でも、大切なパーティーの途中ですので、抜け出せませんわ。” 「えー!近くにいるのに来れないって」 沙織もそんなメール無視すりゃいいのに。まあ、あいつはそんなことしないか。 桐乃はにやにやしながら再度メールを送信した。 すると、10秒もしないうちに、、 ピロリーピロピロー。 電話の着信音が流れる。 「はい、もしもし」 『15分でそちらに行くでござるよ!どこのホテルござるか?!』 桐乃が満面の笑みで場所を伝えている。 おいおいすごいな。おまえ一体どんなメール送ったんだ? 「さっきのコミケで有名な原型師さんの百式買ったんだけど、いろいろお世話になってるからプレゼントするよって。」 ガンプラで釣ったのかよ。 「ドンドンドン!」 10分経った頃、俺たちの部屋のドアが激しく叩かれる。 「はいはい。いま開けるぜ。そんなに叩くなよ。」 俺はドアを開けてギョッとした。そこにはシンデレラの様な青いカクテルドレスを着たぐるぐる眼鏡の大女が肩でゼーゼー息をしながら立っていた。 「ぐ、ぐはぁ。お、遅れて申し訳ない。」 俺は思わず後退りする。 「いや、全然遅くない。むしろ早くてビックリした!」 「あら、早かったわね~」 桐乃はケラケラ笑いながら手を振る。 「ひ、百式は?」 沙織は飛びかかるように桐乃をベットに押し倒した。 「きゃー!襲われるぅ!」 爆笑しながら、コーヒーテーブルの上の箱を指差す。 「おぉ!こちらでござるかっ!失礼つかまった!」 沙織は起き上がり箱を開ける。中はバラバラのパーツのようだ。 「お、おーーー!これは!」 ガンプラのパーツを掲げ、歓喜する青いドレスの美少女ってかなりシュールだ。 「これは高かったでごさろう?」 「いいよ、いいよ、ホントにプレゼントするってば。」 「いやいや、それでは私の気がおさまりません。何かお返しを、、、そう、しばしお待ちくだされ。」 沙織はドレスの乱れを治し、部屋を出ていった。何をするつもりだ? 「…随分と騒がしいようね…」 眠そうな目を擦りながら、黒猫が目をさましていた。 「大丈夫か?」 「おかげさまでスッキリしたわ。迷惑をかけてごめんなさい。」 顔色も良くなったようだ。俺はほっとして、黒猫の頭をポンとなでた。 「ちょっと、私の目の前でいちゃいちゃしないでくんない。」 桐乃がこめかみをピクピクさせながら割り込んでくる。 黒猫も邪魔すんなオーラをまとい、桐乃をにらみかえす。緊迫した沈黙が周囲を包む。 と、その時。 ルルルル 部屋の電話が鳴る。俺は黒猫と桐乃の対立を横目に、受話器を取った。 「皆様、パーティー用のお部屋を用意させていただきました。上の階にいらして。」 お嬢様声の沙織だった。 「おい、なんか沙織が別の部屋を用意したから移動しろってさ。」 沙織が指定した部屋は最上階のスイートだった。本当に此処でいいのか? 俺達は恐る恐るドアを開ける。 「おまちしておりました!」 そこには先ほどのドレス姿ではなく、ハイレグワンピース水着の沙織がにこやかに出迎えてくれた。 「お、おまえ、なんて格好してるんだ?」 「いやはっはっは。ドレスを汚したくないので、下のお店から水着を取り寄せたのでござるよ。」 多少窮屈な水着を無理に着込んでいるせいで、かなりハイレグそして今にも胸がこぼれそう。普通の男ならば食いつきそうなナイスバディだが、いかんせんぐるぐる眼鏡の沙織には俺のリバイアサンも反応はない。 「な、なんで水着なの?」 「それは、、あちらをご覧ください!」 「おおお!」 中は20畳ほどの部屋があり、その奥のベランダにはなんとジャグジーが設置されていた。 「…す、すごい。私、初めて見たわ…」 「ふふふ、とういうわけでみんなでジャグジーにつかりながら今年の疲れを取ろうではありませんか!」 「しかし、お前は水着を着てるけど俺達はないんだが、」 「はっ!まさか、裸になれということなの?なんて破廉恥な、、」 「いえいえ、ちゃんと皆様の水着も用意してありますぞ。複数ありますので、好きなのを選んでくだされ。」 奥のベッドルームの上には男女それぞれ数種類の水着が用意されていた。 「キャー。このビキニ、かわいくない?」 さすがに服のこととなると、桐乃もテンションが高くなる。 黒猫とあれこれと品定めをはじめたようだ。 「しかし、沙織、ここ高いんだろだいじょうぶなのか?」 「ご安心くだされ。じつは、此処のホテルにはちょっとしたつてがありまして、何とかなるのでござるよ。」 右手の中指と人差し指に伝説の黒いカードを掲げ、沙織は得意そうに胸を張る。 「むふふふωどうなされた京介氏?私のナイススバディーがそんなにまぶしいですかな?」 そのこぼれそうな胸の谷間が強調され俺は直視できない。 「う、いや、なんだその。ありがとな」 「さあさあ、京介氏も着替えて、早くバスタブに入りましょうぞ!」 「お、おう」 俺は、男物の水着を取りに、ベットルームに入ろうとした。 「!」 桐乃と黒猫が着替え中だった。 「き、きゃぁぁぁ!」 「な、なんであんたは入ってくるのよ!」 「わ、悪い。俺の水着も適当に取ってくれ。」 「これでもかぶってろっ!」 桐乃が俺にめがけて適当なトランクスタイプの水着をたたきつける。 俺はそれを手に取り、トイレで着替えることにした。 「それでは、みなさん!今年一年お疲れ様でしたー!」 全員でジャグジーに飛び込む。 暖かいお湯につかりながら、俺は二人の水着をあらためて見直した。 桐乃はピンクのビキニ。黒猫は白いワンピースの水着だった。二人ともよく似合ってるぞ。 「なに、あんたは鼻の下伸ばしてじろじろ見てるのよ!」 「いや、二人とも似合ってるなーと」 「…い、いやらしいわね。」 黒猫は悪態をつきながらも、満足そうだ。 桐乃が沙織の胸を見ながらつぶやく。 「しかし、よく見るとあんたかなりやばい格好ね。兄貴に襲われても知らないわよ。」 「はっはっはっ。ちょっと窮屈かなと思ってはいましたが、冷静に見ますとセクシーすぎますかな?」 「、、ほ、本当に大きいわね、どうしたらそうなれるかしら?」 「んー?特別な事はしていないのでござるが?」 この口調でなければ俺ももう少し萌えるかもしれんが、まったくなんとも思わん。 「ふっふっふ。じゃあ、もっと調べさせてもらうわ、、」 桐乃がじりじりと沙織に近づく。 「あっ!きりりん氏いったい何を??き、きゃー」 そして、おもむろに沙織の胸をがしがしと揉み始めた。 「う、うははははwwwや、やめてくだされwくすぐったいでござる」 「おりゃおりゃwおとなしくしなさーい。本物かどうか確かめてやるんよ」 なんかすごいことになり始めてるな。ふと横をみると、黒猫がぴっとりと俺のそばに寄り添っていた。ちょうど斜め上から黒猫の胸が見える状態だ。前から思っていたんだが、やはり桐乃よりもありそうだ。 「何を見てるの?」 赤い顔をした黒猫が俺のにらみつける。 「あ、いや。その、、」 黒猫が俺の耳に顔を近づけささやく。 「触りたいの?」 「いっ!?いや、その、、なんだ、、」 「触ってもいいわよ、、」 ごくり、、俺は自分の中の何かが崩れそうな気がした。 「うひゃひゃひゃ、きりりん氏、拙者も反撃させていただくでござるよ!」 ふと、沙織と桐乃がじゃれあってる方に目をやる。 「うわ!お前ら何やってんの?」 桐乃のビキニの上は上にずれてしまい乳首が見えている。沙織に至っては片乳が完全に露出してしまっているのではないか。 黒猫もその状況に目を丸くしている。 「!!!きやぁぁぁ!」 「見た?見たでしょあんた?」 沙織は胸を隠しながらしゃがみこみ、桐乃なんか俺の頬をグーで殴りやがった。 「ご、ごめんなさい。悪かった。許してください。」 「だめ、許さない。あんたには罰を受けてもらうわ!」 気を取り直した沙織が俺の背後に回り羽交い絞めにする。こいつ、でかいだけあって男の俺でもやすやすとははずせない。 「おいおい、冗談はよせよ」 「ふふふ、京介氏も同じ恥ずかしめを受けていただく!」 「兄貴、覚悟しなさい。」 そう言いながら、桐乃は俺の水着を下ろした。 「!」 「な、なんて邪悪な、、」 黒猫は真っ赤な顔をしながら、俺のリバイアサンをじっくりと観察している。 「うげ!昔はそんなんじゃなかったのに、、いつからこんな風になったの???」 桐乃も口では悪態をついているが、目が輝いてるぞ。 沙織の胸が俺の背中に当たる、やわらかい感触の真ん中に固いものが当たってるぞ。 いままで自制してきた俺のリバイアサンがゆっくりと目をさましつつあった。 「ちょ、、あんた何興奮してんのよ!」 「…いままでは小さかったのに、、あなた見られることによって興奮するの?変態ね!」 俺この先どうなるの? 黒猫が桐乃の顔を伺うと、桐乃は無言でうなずいた。 え?なんだ?ここにきて何かの同盟が成立したのか? 黒猫が震える手でいまや立派に成長した俺のリバイアサンをつかむ。 「待て待て待て、お前ら何をする気だ?」 「男の人の、その、射精って、私も見たことがありませんのよ。。」 沙織もとんでもないことを、さらっと言いのけんなよ。 そうこうしているうちに、黒猫が俺のモノを上下にこすり始める。 「お、おい、黒猫、や、やめてくれよ、、、」 手の動きに合わせて、俺のリバイアサンも硬さを増していく。 「ねえ、、なんか、汁、出てきてない?」 桐乃!おまえも冷静に観察してるんじゃねぇっての。 「くっ!」 「せ、先輩、、、我慢しなくていいのよ、、わ、私を汚してもいいから、、」 そんな目で見つめられると、腰から力が抜けていく。 にちゃっ!にちゃっ! 粘度の高い液体が黒猫の手にまであふれ、にゅるにゅると音を立てる。 「ちょ!ごめん。俺、もうだめだわ。」 「うぁぁ、くるよくるよ!え?どうなるの?どうなるの?」 桐乃わくわくしすぎだろ、、 「き、京介さん、、はむぅう」 「ひぃぃぃぃ」 沙織が俺の耳たぶアマガミしやがった。ぞくぞくと耳たぶから背中に電流が走る。 そして、その電流が股間にまで達した瞬間。 び、びゅるる!びゅるる!びゅるる!びゅるる! 俺は黒猫の顔をを白く染めちまった。